AIの道具選びは本質じゃない
今井雄大・公開 ・いまある環境でできる
この記事の要点
私がClaudeを使いながら、MicrosoftやGoogleのAIを勧める理由を書きました
「私はClaudeで会社を回している。なのに提案はMicrosoftやGoogleのAIなのか」
先週公開した16エージェントの実運営ログを読んだ方から、こう聞かれそうな気がしています。正直に言うと、自分でも矛盾しているように見えるかもしれないなと思いながらこの記事を書いています。もっともな疑問だと思うので、先に自分の言葉にしておきます。
先に断っておくと、ここで書くのはビジネスサイド・バックオフィスの仕事の話です。エンジニアの開発業務は別の判断があると思うので、ここでは扱いません。
この記事に書いてあること
- 1人法人の私がClaudeを選ぶ理由と、すでに統制がある会社の合理性は別ものであること
- 新しいツールを増やさなくても、MicrosoftのAI(Copilot)やGoogleのAI(Gemini)の進化でほとんどの業務が対応できるようになってきた実感
- 本当に大事なのは道具選びではなく、何を空けて、何に再投資するかのゴール設計だということ
1人法人とすでに統制がある会社は前提が違う
私は身軽な1人法人です。契約もIDも自分だけで完結するので、新しいAIを試すのに稟議もいらない。だからClaudeを選べます。
すでにID管理・監査ログ・調達契約が整っている会社は前提が違います。これは優劣の話ではなく、置かれている立場が違うだけだと思っています。
新しいツールを増やさず、いまある統制から始める
相談を受けていていつも感じるのは、新しいソフトウェアを1つ入れるだけでも、けっこうな重さがあることです。多くの会社では、新規導入のたびにISMS(情報セキュリティマネジメントの国際規格)に書いてあるレベルのこと、つまりアセスメント・承認・運用ルール策定までを大体やっています。
MicrosoftやGoogleのAIは、その会社にとって「すでに承認済みの境界の内側」にあります。だからこの重いプロセスをもう一度新規に走らせなくていい。ここは実務的に大きいと思っています。
これはこの記事の結論ではありません。まだ中間地点です。
実態としてほとんどの業務はもう対応できる
私が支援してきた範囲では、ドキュメンテーション(パワポやエクセル系のものはほぼ何でも)とコミュニケーション(議事録・ブリーフィング・コンテキスト整理など)は、MicrosoftやGoogleのAIの進化でほとんど対応できる実感があります。
守秘のため個社の名前や案件の中身は出せませんが、この2つの業務ドメインについては、道具のせいでできないということはもう少ない、というのが今の実感です。
色々なAIを試すのは職業だから
正直に言うと、私がClaudeをはじめ色々なAIを使い試しているのは、それが私の職業だからです。AI活用の支援を仕事にしている以上、知っておく必要があります。
恥ずかしい話ですが、Claude Codeを初めて触ったとき、何をしているのか全然わかりませんでした。画面に話しかければ答えが返ってくるチャット型のAIと違って、フォルダやファイルを直接操作していくタイプのAIは、最初は何が起きているのかすら見えなかったんですよね。
その時々のtipsは陳腐化する
職業柄あちこちのAIを試しているからこそ分かることがあります。「このツールのこの使い方が便利」というtipsは、プラットフォームが進化するたびに陳腐化するということです。
以前は、ガチガチのプロンプトエンジニアリングが重要でした。決まったプロンプトを配って、コピペしてもらうことで再現性をとるというやり方です。
それが今はいかにコンテキストを整備するか、そして品質を上げて事故を起こさないためのガードレールやハーネスをどう構築するかに変わってきています。AIはこれからもどんどん優秀になっていく前提に立つなら、道具の表面的な使い方が陳腐化するスピードはこれからもっと速くなると思います。その変化も楽しみながら仕事をすることが、今の時代は大事なんじゃないかなと思っています。
道具の良し悪しは本質じゃない
だからどのAIを選ぶかは本質ではありません。本質はどの仕事を空けて(Free-up)、何に空いた時間を再投資(Reinvest)するかのゴール設計です。
実践に落とすとやることは2つです。1つは最初に空ける1業務を決めること。これはその業務にかけている現状のコスト(時間やストレス)とAI実現可能性の2軸で判断するのがおすすめです。すでにAIの新機能が予告されている状態であればその機会を待つのも一つの判断軸です。そういった形でAI化する対象業務を選定して実行していきます。もう1つは、この業務をどう組織に浸透させていくかです。それには権限・承認・監査のルールの設計が重要です。合わせて、空いた時間が安全に再投資され続ける仕組みを試しながら構築していきます。
これからはAIモデルのアップデートそのものが、業務フロー全体を点検して改善していく(フライホイールを回す)タイミングに変わっていく気がしています。そしてそのフローを構築すること自体、AIでできる時代になってきていると感じています。
まずは2週間。何を空けて何に使うかを1つ確かめる
私たちのSTEP01アセスメントは、道具を選ぶ場ではありません。いまの環境の中で何を空けて何に再投資するかを、1つの業務で実物として確かめる2週間です。
まず1つ動かしてみませんか
まず1業務から、何を空けて何に再投資するかを確かめる入口を用意しています。
会社の中身、16のAIエージェントで実際にどう回しているかは、前回の記事に書きました:https://note.com/bjam/n/n390cace8dcac
「うちの環境でも何を空けられるか」を確かめたい方へ。貴社の業務にAIで動く仕組みを埋め込む伴走をしています:https://b-jam.co.jp
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