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Copilotの@メンションでエージェントをつなぐ

今井雄大・公開 ・Microsoft 365 Copilot

この記事の要点

コピペなしでリサーチから戦略案とExcel表までつないだ実験記録

リサーチ用エージェントが調べる。
別のエージェントが戦略案にする。
最後はExcel表にまとめる。コピペは一度もしていません。

株式会社b-jam代表の今井雄大です。

この記事に書いてあること

  • @メンションでエージェントを呼び替えた実験の記録
  • 会話履歴を引き継げないエージェントで起きた失敗
  • エージェントを実務でリレーさせるための3条件

@で呼び替えるだけ

Microsoft 365 Copilotの同じチャット内で@メンションを使うと応答するエージェントを切り替えられます。

画面には「○○は応答しなくなりました」に続いて「△△が応答しています」と表示されます。別のチャットを開くのではなく、同じ会話の中で担当が交代する動きです。

最初にリサーチ用エージェントへ中小企業の生成AI導入統計を調べてもらいました。約1分で3つの調査の数値と出典が揃います。

次に@でアナリストへ切り替えました。前段のレポートは貼り付けていません。それでもアナリストは数値と出典をすべて正確に転記できました。

作成した直後の新しいエージェントにも切り替えてみました。参照資料を持たせていない素の設計です。このエージェントも前段の数値と出典を読み取り、指定した出力形式で戦略案を3つ立てました。内容の捏造もありませんでした。

自作エージェント同士のリレーでも試しています。抽出役が4つの数値を読み取り、4項目中4項目に正答。そのまま@で転記役へ替えると貼り付けなしで4つの値を取り込んだExcelファイルを生成しました。コードで計算した合計値も一致しています。

3段リレー図

これまでは別チャットへ移動して人が回答をコピーして次のエージェントへ渡していました。今回の実験ではコピペも画面遷移もゼロです。

エージェントの新規作成と失敗のリカバリまで含めた所要時間は約50分でした。一度流れを定型化すれば3段リレー自体は5〜10分で回せます。

1回だけ事故りかけた

すべてのエージェントが同じように会話履歴を読めるわけではありませんでした。

Excelの標準エージェントへ切り替えたときのことです。画面には「チャット履歴を確認し」と表示されました。私は当然このチャットの内容を見ていると思ったのですが、実際には社内検索で見つけた別ファイルの内容で表を作っていました。

しかもそれらしい表が出てきた時点では違和感がありませんでした。。整った表が出てくると確認したつもりになってしまう。自分で試しておきながら危ないところでした。

内容の違いを指摘するとエージェントは「チャット履歴には含まれていない」と自己申告しました。製品の良し悪しというより、エージェントごとに履歴を参照できる範囲が違うと理解して使う必要がありそうです。

確認方法は難しくありません。このチャットでしか登場していない数値や項目名を答えさせます。そこで答えられなければリレーには挟まない。この一手間で誤った引き継ぎに気づきやすくなります。

今回は履歴を読めるアナリストを間に入れました。前段の戦略案を「項目名: 値」の形式へ整えてから転記役へ渡すと最終の表は元の3案と完全に一致しました。

実務で使う3条件

今回の実験から実務で使う条件は3つに絞れます。

  1. リレー各段の入出力形式を揃える
  2. 会話履歴が見えないエージェントを挟まない
  3. 各段で内容の一致を目視確認する

形式が合わない場合は整形役を1体挟みます。実験で使った転記役は指示文で決めた入力形式以外を受け付けませんでした。@でリレーしても形式のガードは崩れません。役割を曖昧にせず、受け渡す形まで決めておくことが大切です。

これは以前書いた「『いい感じで』ではAIは動かない」と同じ話でもあります。エージェントを増やす前に各担当が何を受け取り、何を返すかを決めます。

切り替えるときは入力欄に残っているエージェントのチップを×で外してから@を打ちます。作成直後のエージェントは候補への反映に少し時間がかかり、ほぼ完全な名前まで入力する必要がありました。慣れれば1回の切り替えは数秒です。

コピペ転記から小さく試す

エージェント分業の候補は、担当者がコピーして別の画面へ貼り付けている業務の中にある気がします。

全部を一度に変える必要はありません。まず1つの業務を選び、2体か3体で受け渡しを試す。その選び方は「最初の1業務をどう選ぶか」にもまとめています。

@メンションは小さな操作ですが、人が担っていた橋渡しを同じチャット内へ移せます。形式と履歴の範囲を確認しながら使えば、コピペ転記を仕組みに変える入口になるかもしれません。

出典・参考リンク

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