要約 自分の役割や資料の決まりを1枚の文書にして OneDrive に置き、Copilot に読ませました。b-jam の Microsoft 365 Copilot で提案資料の骨子を頼むと前提メモの決まり4つに沿った骨子は、読ませない場合の1つから4つになりました。質問の数は変わらず、中身が確認に変わりました。前提メモにない推奨が1つ増えた点も正直に書きます。
前提メモとは自分の仕事の説明を1枚にした文書です
提案資料の骨子を頼むたびに、うちの決裁者は1枚目に「決めてほしいこと」がある資料を好む、費用は月額と年額を並べる、と説明していませんか。毎回の説明を1枚の文書にまとめて、読ませる方法があります。
この文書をリビングコンテキストドキュメント(仕事の前提をまとめて AI に読ませ、更新し続ける文書)と呼ぶ人がいます。この記事では「前提メモ」と書きます。
2026年11月3日に、b-jam の Microsoft 365 Copilot(モデルの表示は「自動」)で、前提メモを読ませた場合と読ませない場合を比べました。同じ日の新しいチャットで、1回ずつです。経理課の主任が、経費精算のペーパーレス化について、部内会議の提案資料の骨子を作る場面にしました。会社も人も数字も合成です。
前提メモには5つの項目を書きます
前提メモはWord の短い文書にしました。書いたのは次の5項目です。
仕事の前提メモ(北村/経理課 主任)2026年11月版
1. 会社と私
・青葉電機(架空)。電子部品の製造。社員80人。
・私は経理課の主任。経費精算と月次決算の担当。
2. 資料を見る人
・社内の提案の決裁者は管理部長。
・管理部長は、1枚目に「決めてほしいこと」がある資料を好む。
・部内会議の資料はスライド7枚まで。各スライドは見出し1つと要点3つ。
3. 資料の決まり
・費用は月額と年額の両方を並べる。
・効果の数字(削減時間・削減率など)は、試算をしていなければ書かない。「試算が要る」と書く。
・数字には出典を添える。
4. 今期の前提
・システムの新しい費用は、年50万円以内なら管理部長の決裁で導入できる。
・次の部内会議は11月12日。
5. 進めている仕事
・経費精算のペーパーレス化(私が担当)。項目は「資料を見る人」と「資料の決まり」が中心です。毎回口で説明している内容をそのまま書き出す形にします。実在の人や会社は入れず、最初は架空の内容で試してください。
OneDrive には、Word for the web で新しい文書を作って置きました。共有はしていません。作った直後の名前は「ドキュメント.docx」で、私はあとから名前を付けました。改名した直後はCopilot の候補の一覧に古い名前が先頭に出ました。名前で検索すると新しい名前で出てきたので、文書は先に名前を付けておくのが安全です。
入力欄の「/」で文書を指して頼みましょう
読ませる方法はチャットの入力欄で「/」を打ってファイルを探し、候補から文書を選ぶだけです。選ぶと入力欄にファイルの札が入ります。
頼む文面は質問させてからOKまで作業させない3段の文面(Copilotには作業の前に質問させましょう)に、1行だけ足しました。
・私の「仕事の前提メモ」に書いてあることは質問せず、その内容を使ってください。最後の「使う資料」の行も、検討メモと前提メモの2つを書く形に替えます。入力した文字数は読ませない場合が7回で801字、読ませた場合が876字でした。前提メモを指す手間と、足した1行の分だけ増えています。入力は減っていません。初回には前提メモを書く手間も加わります。
質問は聞き直しから確認に変わります
質問の数はどちらも5つでした。中身が違います。
読ませない場合は目的、使う資料、出来上がりの形、守る決まり、読み手と期限を順に聞かれました。読ませた場合も5つ聞かれましたが、5つのうち3つは確認でした。出来上がりの形、守る決まり、読み手と期限を前提メモの内容を踏まえて「〜でよいですか?」と聞く形です。最初の応答では前提メモにある読み手、枚数、構成、費用の表記、決裁の条件、会議の日程は質問しない、と言ってから質問が始まりました。
聞き直しが確認になっても、答える手間は残ります。それでも「うちの決裁者は」と説明し直さずに済みました。OKを返すまで骨子が出なかった点は、どちらも同じです。
骨子は前提メモの決まりに沿います
前提メモの決まりは4つです。1枚目に決めてほしいこと、費用は月額と年額、効果の数字は書かず「試算が要る」と書く、年50万円以内との比較です。
| 見るところ | 読ませない場合 | 読ませた場合 |
|---|---|---|
| 決まり4つのうち沿った数 | 1つ | 4つ |
| 構成の6要素 | 5つ(日程のスライドがない) | 6つ |
| 数字の誤り | 0 | 0 |
| 検討メモにない効果の数字 | 0 | 0 |
読ませない場合は1枚目に決めてほしいことは出ましたが、費用は月額だけで、年額も50万円との比較もありませんでした。読ませた場合は案の年額(264,000円と480,000円)を並べ、案Bは上限の50万円まで残り20,000円、と書きました。効果の数字は「削減時間や削減率を根拠とした提案ではありません」と書いて、試算が要る項目を別のスライドにまとめています。
確認点の中でも、読ませた場合は「案Bの年額に初期費用が含まれるか。含まれるなら50万円まで残り2万円」を挙げました。前提メモの上限があるから出てきた確認点です。
前提メモにないことが足されることもあるので確認点を見ましょう
読ませた場合の骨子に前提メモにも検討メモにもない記述が1つありました。最後のスライドの「案Bを第一候補とします」です。どちらのメモにも、案Bを推す根拠は書いていません。
読ませない場合にはこの追加は0でした。前提メモを読ませると決まりには沿いますが、決裁の場に出す前提で、Copilot が結論まで踏み込むことがあるのかもしれません。1回の観察なので理由は分かりません。
骨子を使う前に次の3つを見てください。
- 推奨や結論が、検討メモに書いた根拠に基づいているか
- 数字が検討メモと前提メモの数字だけでできているか
- 前提メモの決まりが4つとも反映されているか
試したのは1回です。別の資料や別の前提メモでは、違う結果が出ることがあります。
前提メモは Copilot の記憶機能とは別の方法です
Copilot にはカスタム指示と保存されたメモリという記憶の機能もあります。公式の説明ではプレビューで、Copilot Chat の利用者が対象です。保存先は利用者の Exchange のメールボックスにある隠しフォルダーで、会社の管理者が拡張パーソナライズを止めていると使えません。
b-jam の画面では、カスタム指示、保存されたメモリ、チャット履歴の3つとも、この比較ではオフのままでした。つまり今回の結果は記憶の機能に頼らず、OneDrive の文書だけで出たものです。記憶の機能が使えない会社でも、文書なら試せます。
前提メモを更新したあとにCopilotが新しい内容を読むかは、試していません。内容を直したら、同じ依頼でもう一度確かめてください。
試して消すところまでの手順は、この記事の「自社で試す1手」にまとめてあります。自社の資料の決まりを前提メモにする作業を一緒に進めたい場合は、お問い合わせフォームからご相談ください。
Gemini for Google Workspace をお使いの方は、Geminiには仕事の前提を1枚にまとめて読ませましょうへ。



