要約 自分の役割や資料の決まりを1枚の文書にして、Gemini に読ませました。b-jam の Business Starter と Business Standard で提案資料の骨子を頼むと前提メモの決まり4つに沿った骨子は、読ませない場合の0.5〜1つから4つになりました。質問はBusiness Standard の思考モードで5つから2つに減り、Business Starter の Flash では5つのまま確認に変わりました。Business Standard では前提メモにないことの追加が1つから3つに増えました。
前提メモは仕事用のアカウントで自分を覚えてもらう方法です
提案資料の骨子を頼むたびに、うちの決裁者は1枚目に「決めてほしいこと」がある資料を好む、費用は月額と年額を並べる、と説明していませんか。毎回の説明を1枚の文書にまとめて、読ませる方法があります。
この文書をリビングコンテキストドキュメント(仕事の前提をまとめて AI に読ませ、更新し続ける文書)と呼ぶ人がいます。この記事では「前提メモ」と書きます。
自分のことを Gemini に覚えさせる機能は、仕事用のアカウントでは使えません。公式のページには過去のチャットのメモリー、接続したアプリに基づくパーソナライズ、回答の仕方を決めるカスタム指示は、個人の Google アカウントでログインしている場合の機能だと書かれています。仕事用、学校用、管理対象のアカウントでは使えません。b-jam の Business Starter でも、設定メニューにメモリやカスタム指示に当たる項目は見つかりませんでした。
そこで、覚えてもらう代わりに、毎回読ませる文書を用意します。ドライブに置くので、仕事用のアカウントのままで使えます。
2026年11月3日に、前提メモを読ませた場合と読ませない場合を2つの仕事用アカウントで1回ずつ比べました。同じ日の新しいチャットです。経理課の主任が、経費精算のペーパーレス化について、部内会議の提案資料の骨子を作る場面にしました。会社も人も数字も合成です。
| アカウント | モデルの表示 | 前提メモの渡し方 |
|---|---|---|
| b-jam の Business Starter | Flash | ドライブの文書を、入力欄の+から添える |
| Business Standard の仕事用アカウント | 思考モード | 前提メモの本文を、文面の末尾に貼る |
Business Starter では、思考モードと 3.1 Pro が上限に達していたので、Flash になりました。Business Standard のアカウントには、ファイルを置かないことにして、本文を貼る方法にしています。
前提メモには5つの項目を書きます
前提メモはGoogle ドキュメントの短い文書にしました。書いたのは次の5項目です。
仕事の前提メモ(北村/経理課 主任)2026年11月版
1. 会社と私
・青葉電機(架空)。電子部品の製造。社員80人。
・私は経理課の主任。経費精算と月次決算の担当。
2. 資料を見る人
・社内の提案の決裁者は管理部長。
・管理部長は、1枚目に「決めてほしいこと」がある資料を好む。
・部内会議の資料はスライド7枚まで。各スライドは見出し1つと要点3つ。
3. 資料の決まり
・費用は月額と年額の両方を並べる。
・効果の数字(削減時間・削減率など)は、試算をしていなければ書かない。「試算が要る」と書く。
・数字には出典を添える。
4. 今期の前提
・システムの新しい費用は、年50万円以内なら管理部長の決裁で導入できる。
・次の部内会議は11月12日。
5. 進めている仕事
・経費精算のペーパーレス化(私が担当)。毎回口で説明している内容をそのまま書き出す形にします。実在の人や会社は入れず、最初は架空の内容で試してください。
前提メモは添えるか貼って頼みましょう
頼む文面は質問させてからOKまで作業させない3段の文面(Geminiには作業の前に質問させて数字は式で確かめましょう)に、1行だけ足しました。
・私の「仕事の前提メモ」に書いてあることは質問せず、その内容を使ってください。Business Starter では、入力欄の+から「ドライブから追加」を選び、ページ内の選択画面で前提メモのドキュメントを選びました。Business Standard のアカウントでは、同じ文面の末尾に前提メモの本文(338字)を貼りました。
入力した文字数は読ませない場合が7回で801字でした。読ませた場合はBusiness Starter が7回で876字、Business Standard が3回で1,134字です。往復は3回に減りましたが、本文を貼った分だけ文字数は増えています。入力は減っていません。初回に前提メモを書く手間も加わります。
質問は減るか確認に変わります
質問の数はアカウントで違いました。
| アカウント | 読ませない場合 | 読ませた場合 |
|---|---|---|
| Business Starter(Flash) | 5つ | 5つ(うち2〜3つは確認) |
| Business Standard(思考モード) | 5つ | 2つ |
Business Starter の Flash では、5つ聞かれました。そのうち、出来上がりの形は「〜よろしいでしょうか」、読み手と期限は「〜間違いありませんでしょうか」と、前提メモの内容を踏まえて確認する聞き方でした。守る決まりは、前提メモ以外の決まりがあるかを聞く形です。聞き直しが確認に変わった形です。
Business Standard の思考モードでは、2つで質問が終わりました。3つ目の応答で、残りの項目は前提メモに記載されている内容をそのまま適用するので質問は以上、と書かれました。前提メモに書いてあることを聞かれた数は0です。
どちらもOKを返すまで骨子は出ませんでした。質問が減ったのは本文を貼った思考モードの1回です。添えた場合の Flash では減らなかったので、一般的に減ると言うのは早いと思います。モデルの違いなのか、渡し方の違いなのかは、この試しでは分かりません。
骨子は前提メモの決まりに沿います
前提メモの決まりは4つです。1枚目に決めてほしいこと、費用は月額と年額、効果の数字は書かず「試算が要る」と書く、年50万円以内との比較です。
| 見るところ | Business Starter | Business Standard |
|---|---|---|
| 沿った数(読ませない場合) | 0.5つ | 1つ |
| 沿った数(読ませた場合) | 4つ | 4つ |
| 数字の誤り | 0(どちらの場合も) | 0(どちらの場合も) |
| 構成の6要素 | 6つ(どちらの場合も) | 6つ(どちらの場合も) |
0.5つというのは1枚目の見出しが「決めてほしいこと」でなく「検討背景と目的」で、決定事項は要点の3つ目にあった、という意味です。読ませない場合は費用の年額も、50万円との比較もありませんでした。読ませた場合は案の年額(264,000円と480,000円)を並べ、両案とも年額50万円以内と書き、効果の数字は「試算が必要」と書きました。
前提メモにないことが足されることもあるので確認点を見ましょう
資料にないことを足した数は、アカウントで違いました。
| アカウント | 読ませない場合 | 読ませた場合 |
|---|---|---|
| Business Starter(Flash) | 1つ | 0 |
| Business Standard(思考モード) | 1つ | 3つ |
Business Starter の読ませない場合は、案Aに「社員数80人に依存しない定額料金」と書きました。案Aの月額が定額であることは検討メモにありますが、人数に依存しないという解釈は書いてありません。
Business Standard の読ませた場合の3つは次のとおりです。最後のスライドに「北村が要件定義・導入準備を進め」とあります。前提メモには担当の仕事があるだけで、要件定義の記述はありません。別のスライドには「領収書貼り忘れなどのミス防止につながる」という断定があり、検討メモは貼り忘れが差し戻しの理由だと書くだけです。3つ目は「PCなどからの申請運用となる」でした。
前提メモを読ませると決まりに沿いますが、前提メモにない話を足すこともあります。骨子を使う前に次の3つを見てください。
- 担当や日程が、検討メモか前提メモに書いたとおりか
- 「〜につながる」のような効果が、断定になっていないか
- 数字が検討メモと前提メモの数字だけでできているか
もう1つ、Business Starter の読ませた場合は、検討メモ由来の行にも前提メモのファイル名の札が付きました。札が付いた行がすべて前提メモに書いてあるとは限らないので、根拠として信じ込まないでください。
試したのは1回ずつです。別の資料や別の前提メモでは、違う結果が出ることがあります。前提メモを更新したあとにGeminiが新しい内容を読むかは、試していません。内容を直したら、同じ依頼でもう一度確かめてください。
試して消すところまでの手順は、この記事の「自社で試す1手」にまとめてあります。自社の資料の決まりを前提メモにする作業を一緒に進めたい場合は、お問い合わせフォームからご相談ください。
Microsoft 365 Copilot をお使いの方は、Copilotには仕事の前提を1枚にまとめて読ませましょうへ。
b-jam 自身は Claude で会社を回していますが、この記事は、配られた Gemini の画面で確かめたことだけを書きました。



