Microsoft 365 Copilot 職種: 企画

Copilotのリサーチ機能で調べた数字は出典まで開いて確かめましょう

今井雄大 公開
この記事の要点

Copilotのリサーチ ツールに業界の調査を頼む文面と、報告の本文の出典リンクを開いて数字を確かめる手順。開けない出典があった例と、手元の調査メモを出典の抜粋と並べて判定させる頼み方つき。

要約 Copilot の「リサーチ ツール」は、Webだけを調べて出典つきの報告を作ります。b-jam の Microsoft 365 Copilot で、業界を1つ選んで頼むと確認の質問に答えたあと、送信から7分半ほどで報告が完成していました。本文のリンク6件のうち5件が開き、市場規模の数字4つは出典のページに書いてありました。開けなかった1件は施設数の表で、前の年の公式の報告とは1つ合わず、最新の年の報告で確かめるとすべて合いました。出典まで開いて確かめる手順と手元の調査メモを出典の抜粋と並べて判定させる頼み方を載せます。

リサーチ ツールに調べる範囲と出典の条件を頼みましょう

企画の下調べでは業界の規模や規制を短時間で集めます。AIが出した数字を出典まで開かずに資料へ入れるのが、いちばん怖い作業です。

試したのは Microsoft 365 Copilot の「リサーチ ツール」です。チャット画面の左にある「ピン留め済み」から開きました。Microsoft の公式ヘルプでは Researcher という名前で、Copilot の Agents の下にあり、出典つきの報告を作り、確認の質問をすることがあると書かれています(2026年11月3日確認)。画面のモデル表示は開いた時点のまま「自動」にしました。Web検索を組織全体で切っている会社では、Webの調査は使えません。使えるかは情報システム部門に確かめてください。

頼む文面は次のとおりです。業界は自社や顧客と無関係な「クリーニング業」にしました。

プロンプト
日本のクリーニング業について、市場の規模、事業所の数の推移、主な法律や規制、業界の課題を1枚の報告にまとめてください。
・調べる範囲はWebだけにしてください。社内の文書やメールは使わないでください。
・数字には出典のURLを付けてください。出典に書いていない数字は書かないでください。
・数字には何年の値かを書いてください。

確認の質問が来たら用途と範囲だけ答えて任せましょう

送信すると Copilot は調べ始める前に質問を3つ返しました。市場規模は一般的なクリーニング業を中心にするか広い関連市場も含めるか、事業所数は公的統計で直近10年ほどを追う形でよいか、法律は国の主要制度を中心にしてよいか、です。「go ahead」とだけ言えば進めるという案内も付いていました。

「企画の下調べで、日本国内、数字はできるだけ新しい年、1枚に収まる長さで見出しと箇条書き、ほかはおまかせ」と1文で答えました。すると「レビュー用の調査計画」が7項目で出ました。編集せずに待つと完成を確認できたのは送信から約7分半後でした。残り回数の表示はこの画面には出ませんでした。

報告は結論・対象範囲・市場規模・施設数の推移・主な法規制・課題の順で、1枚に収まる長さでした。「企画判断」の節には「これは上記需要・店舗減少・承継課題からの企画上の解釈である」と事実と解釈を分ける一文がありました。ソースの一覧に社内の文書は0件で、Webだけの指定が守られていました。

本文のリンクを全部開いて数字がそのページにあるか確かめましょう

報告の下の「ソース」には11件が並びましたが、数字の根拠として本文に付いた出典リンクを開いて確かめました。重複を除いて6件です。

  • 開けたのは5件: 矢野経済研究所のプレスリリース、厚生労働省のクリーニング業法の概要、環境省の資料2件、国土交通省の資料
  • 開けなかったのは1件: 厚生労働省の統計表のPDFが「お探しのページが見つかりません」の404でした

数字は5つを照らしました。市場規模の4つ(店頭型1,540億円・宅配型104億3,000万円・コインランドリー1,155億4,000万円・関連市場全体2,799億7,000万円)は、2025年の値として矢野経済研究所のページに同じ数字が書いてありました。5つ目は施設数の表で付いた出典が404のため、確かめられませんでした。

本文の文末に付く出典名の小さな札(「yano」「go」など)の先は、今回の確認では画面上でURLを取れませんでした。確かめるときは本文の「直接URL」のリンクと、報告の下の「ソース」の一覧を使います。

開けなかった出典の数字は別の公式ページで確かめるまで使わないでください

404だった表は施設数の年ごとの推移でした。報告には「2021年度末80,162 → 2022年度末76,300 → 2023年度末72,936 → 2024年度末69,299 → 2025年度末66,688」と書いてあります。

厚生労働省の令和6年度の衛生行政報告例のPDFを別に開くと、表に80,162・76,300・72,936が並び、2021〜2023年度の3つは一致しました。2024年度末は本文が69,855施設と書いていて、報告の69,299と違いました。そこで翌年の令和7年度の報告を開くと、表の2024年度末は69,299、2025年度末は66,688で、報告の数字と一致しました。前の年の報告の値が、後の年の報告で改められていました。

開けない出典の数字は別の公式ページで確かめるまで報告に入れません。確かめるときはその統計の最新の年の報告を開きます。

手元の調査メモは出典の抜粋と並べて判定させましょう

調べ終えた数字は別の人がまとめた調査メモに入ることもあります。メモの10件の主張を出典の抜粋と突き合わせる頼み方も試しました。メモと出典1〜4の抜粋は架空の地域卸売業の動向の合成です。ずれは7件入れました。数字違い・出典番号の取り違え・最大の課題の取り違え・試行と本格導入のすり替え・年違い・出典にない言い過ぎ・出典なしです。

プロンプト
目的: 下の調査メモの10件の主張が、出典の抜粋と合っているかを確かめたいです。
文脈: 私は企画担当です。調査メモは別の人がまとめたもので、出典の抜粋は元の資料から写したものです。
期待: 主張ごとに、合っている/ずれている を判定し、ずれている場合は理由と、出典に書いてある正しい内容を書いてください。出典に書いていないことは補わないでください。
出典: 下に貼った調査メモと出典の抜粋だけを使ってください。

【ここに調査メモと出典の抜粋を貼る】

ほかのプロンプトを見る

一度に頼んだ回はずれ7件をすべて見つけ、合っている3件を合っていると判定しました。誤指摘は0でした。出典がない「国内市場は約300兆円」は数字を補わず「出典がなく、確認できません」と書きました。ただ判定の語は「ずれている」でした。「合っている/ずれている」の2択で頼むと出典がない主張も「ずれている」に入ります。

先に質問させた回は出来上がりの形の質問で、Copilot が最初から「一致/不一致/出典では確認できない」の3区分を提案しました。「おまかせ」と答えて進み、同じ7件を見つけています。出典がない主張は3つ目の区分に入りました。冒頭の件数は「一致は4件、不一致は5件、出典では確認できないものが1件」でしたが表の「一致」は3件でした。冒頭の件数は表と数え直します。

質問させてから作業させる型は「Copilotには作業の前に質問させましょう」に書きました。


自社の企画の調べ方に合わせた頼み方を一緒に作りたい場合は、お問い合わせフォームからご相談ください。

Gemini for Google Workspace をお使いの方は、Geminiで業界を調べるときは出典のURLを開いて数字をページと照らしましょうへ。

この業務の出どころ b-jam では、この業務を日常に Claude で回しています。同じ作業をお使いの Copilot で再現できるか、公開情報と合成の資料で試しました。

出典・参考リンク

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