要約 条件を書き足すほど指示文は長くなり、書いたはずの条件が抜けたまま作業が始まります。Copilot に先に質問させ、ゴールを確認してから作業させる頼み方を、貼るだけの文面で載せます。b-jam の自社テナントで合成の表を使って4回試すと、OKと返す前に成果物が出た回は0回でした。
長い指示文を書く前に Copilot に質問してもらいましょう
Copilot に長い指示文を渡しても、出来がそのつどばらつきます。条件を書き足すほど文は長くなり、書いたつもりの条件が抜けることもあります。
この記事は最初の1通を長く書く方法とは別の道です。Copilot に先に1問ずつ質問してもらい、こちらは答えるだけにします。最後にゴールを3〜5行で確かめてから作業させます。条件の抜けは質問に答える途中で拾えます。
近い話は書いてきました。「『いい感じで』ではAIは動かない」は、OKを実行の合図にする1文の話です。「穴埋め表1枚で顧客の要件を引き出す」は、質問を一度に全部出してもらう型でした。今回は質問を1問ずつにしてゴールの確認から作業までを1通の文面にまとめます。
貼る文面は1通です
文面は3つの手順でできています。
| 段 | 頼むこと | 狙い |
|---|---|---|
| 手順1 質問 | 1問ずつ・5問以内。目的、資料、形、決まり、読み手と期限の順。「わからない」「おまかせ」には案を示して次へ | 質問攻めを防ぎ、答えられない問いで止まらない |
| 手順2 ゴールの確認 | 目的・入力・出力・守ること・確認方法を3〜5行でまとめ、私がOKと返すまで作業しない | 作業の前に食い違いを見つける |
| 手順3 作業 | OKの後で作業する。数字と固有名に出どころを添える。最後に確認点を3つ挙げる。合計・割合・日付は式か根拠つき | 出来た数字を後から確かめられる形にする |
貼る文面は次のとおりです。【業務】を自分の仕事に替え、最後に表を本文として貼ります。ファイルは添付しません。
【業務】を手伝ってください。
先に作業せず、次の順で進めてください。
手順1 質問
・私に1問ずつ質問してください。全部で5問以内です。
・聞く順は、目的、使う資料、出来上がりの形、守る決まり、読み手と期限です。
・私が「わからない」「おまかせ」と答えたら、あなたの案を示して次へ進んでください。
手順2 ゴールの確認
・質問が終わったら、目的、入力、出力、守ること、確認方法を3〜5行でまとめてください。
・私が「OK」と返すまで、作業を始めないでください。
手順3 作業
・OKの後で作業してください。
・数字と固有名は、元の資料のどこから取ったかを添えてください。資料にない数字は作らないでください。
・最後に、私が確認すべき点を3つ挙げてください。
・合計、割合、日付の言い換えは、計算式か根拠を添えてください。
・資料にない日付や数字に置き換えないでください。
使う資料: 下に貼った表
【ここに表を貼る】手順3の最後の2行は最初の3回を見てから足しました。足した理由は「数字には式を付けさせて1つだけ電卓で確かめましょう」の節で書きます。
「OK」と言うまで Copilot は作業を始めません
2026年11月2日に、b-jam の Microsoft 365 Copilot(Premium)のチャット画面で、合成データだけを使って試しました。モデルの表示は「自動」で、個人用設定の3つ(カスタム指示・保存されたメモリ・チャット履歴)は、もともとすべてオフです。題材は架空の3業務で、備品購入申請を部長向けにまとめる、今週の受注一覧を営業会議用に要約する、今月の支払予定を一覧にして注意点を出す、でした。回数は最初の文面で3回、2行足した文面で1回の計4回です。
- OKの前に成果物が出た回は、4回中0回でした。ゴールの3〜5行が出た後、OKを返すまで表も文書も出ませんでした
- 「おまかせ」「わからない」と答えた2回はどちらも Copilot が案を示して次へ進みました。形を「おまかせ」と答えた回は「では、こちらからは『冒頭に承認判断の要点、その下に申請一覧』の形を提案します」と返して次の質問に進みました
- 質問は4回とも5問で、各応答に1つずつ来ました。5問目だけ、読み手と期限を1文でまとめて聞いた回が3回ありました
「『AIで何かしたい』の前に一番時間を取られている仕事をAIに聞き出してもらう」では個人用設定を切ると質問が5〜6ブロックまとめて出たと書きました。その回は「1問ずつ」と書き足した形を試していませんでした。今回は文面に「1問ずつ・5問以内」と書き、個人用設定がオフのまま試しました。言えるのは文面に書けば設定がオフでも質問が1つずつ来た、までです。
数字には式を付けさせて1つだけ電卓で確かめましょう
最初の3回でも、数字の誤りは0でした。ただ、期限の「今週金曜」を表にない日付「11/6」に言い換えて成果物に書いた回が1回ありました。表に税率が書かれていなかった回は、税込の金額を作らず「要確認」と書き、確認点に税率と端数処理を挙げました。「資料にない数字は作らないでください」の一文はこの回では働いています。
そこで手順3に「合計、割合、日付の言い換えは、計算式か根拠を添えてください。」と「資料にない日付や数字に置き換えないでください。」を足して1回試しました。質問は1つずつ来て数字の誤りは0。合計・担当者別の集計・万円換算の全件に式が付きました。
ただし、試したのは1回だけです。再現はまだ確かめていません。日付の言い換えを防げたかも、この回の期限が「明日の朝会」で金曜の期限が出てこないため、言えません。
式が付いていても、Copilot が書いた式の数字は信じ切らず、1つは電卓で叩いてください。式を読むと、どの数字をどう足したかが分かります。分かれば、電卓で1か所叩くだけで確かめられます。
うまくいかないときは一言返して直しましょう
- 質問が一度に何個も来たとき: 「1問ずつにしてください」と返します。文面には書いてありますが、守られない回に備えた一言です(b-jam の4回では必要になりませんでした)
- 読み手と期限を1文で聞かれたとき: そのまま両方に答えて構いません。5問目だけはb-jam の4回中3回でこの形でした
- 日付を言い換えられたとき: 「資料にない日付や数字に置き換えないでください」の1行を足して送り直します。この1行で防げるかはまだ確かめていません
- 「OK」の前に成果物が出たとき: 「OKと言うまで作業を始めない約束でした。いったん止めてゴールの確認からやり直してください」と返します。b-jam の4回では起きませんでした
実在の社員名や金額は確かめ方に慣れてから入れましょう
実在の社員名や金額は合成の表で数字を自分で確かめられるようになってから入れてください。ここに書いた結果はb-jam の1つの環境での4回です。ほかの業務や表では違う結果が出る可能性があります。
出来た画面の数字を手計算で確かめるやり方は「毎月の集計表はCopilotに1文で頼めます」にも書きました。
自社の仕事に合わせた頼み方を一緒に作りたい場合は、お問い合わせフォームからご相談ください。
Gemini for Google Workspace をお使いの方は、Geminiには作業の前に質問させて数字は式で確かめましょうへ。



