Microsoft 365 Copilot 職種: 法務

契約書の確認すべき条項はCopilotに表にしてもらいましょう

今井雄大 公開
この記事の要点

委託する側として業務委託契約書を確認するとき、Copilotに契約書を貼って、条番号つきで「確認する理由」と「先方への質問」の表を出させる頼み方。締結の可否は言い切らせない文面と、表の読み方を載せます。

要約 委託する側として契約書を確認するとき、Copilot に契約書を貼り、条番号・内容・確認する理由・先方への質問の4列の表を出させる頼み方です。b-jam の自社テナントで合成の業務委託契約書を使って試したところ、仕込んだ5つの条はすべて表に入り、締結の可否は言い切られませんでした。ただし、1つの条は理由が仕込んだものと違いました。

契約書の本文を貼って確認の表を頼みましょう

契約書が回ってきたとき、最初にやるのは、委託する側にとって気になる条を拾うことです。人が読む前の一次確認なら、拾う作業を Copilot に任せて、人は判断に時間を使えます。

この記事は、契約書の本文を Copilot に貼り、確認すべき条を表にしてもらう頼み方です。ただし、締結してよいかどうかは Copilot に決めさせません。文面の1行目に「締結するかどうかは人が決めます」と書いておきます。先に質問させる型は「Copilotには作業の前に質問させましょう」と同じです。

貼る文面は1通です

質問、ゴールの確認、OKのあとの作業という3段の文面です。1行目に、判断は人が行うことを入れてあります。

プロンプト
契約書から、確認すべき条項を洗い出す作業を手伝ってください。締結するかどうかは人が決めます。
先に作業せず、次の順で進めてください。

手順1 質問
・私に1問ずつ質問してください。全部で5問以内です。
・聞く順は、目的、使う資料、出来上がりの形、守る決まり、読み手と期限です。
・私が「わからない」「おまかせ」と答えたら、あなたの案を示して次へ進んでください。

手順2 ゴールの確認
・質問が終わったら、目的、入力、出力、守ること、確認方法を3〜5行でまとめてください。
・私が「OK」と返すまで、作業を始めないでください。

手順3 作業
・OKの後で作業してください。
・数字と固有名は、元の資料のどこから取ったかを添えてください。資料にない数字は作らないでください。
・最後に、私が確認すべき点を3つ挙げてください。
・合計、割合、日付の言い換えは、計算式か根拠を添えてください。
・資料にない日付や数字に置き換えないでください。

使う資料: 下に貼った契約書
【ここに契約書を貼る】

ほかのプロンプトを見る

最後の【ここに契約書を貼る】に、契約書の本文を貼ります。実在の契約書は入れず、最初は架空の契約書で試してください。

質問への答えは、b-jam の試行では次のとおりでした。目的は「当社が委託する側として、契約前に確認すべき条項を見落とさないようにしたい。締結するかどうかは人が決める」、使う資料は「貼った契約書だけ」、形は「条番号・条項の内容・確認すべき理由・相手に確認する質問の4列の表」、読み手と期限は「総務部長に今週中」です。守る決まりは「おまかせ」と答えました。

条番号つきの表に先方への質問まで入ります

2026年11月3日に、b-jam の Microsoft 365 Copilot のチャット画面で試しました。モデルの表示は「自動」です。契約書は、社内報の編集を委託する8条の架空のものです。委託する側(甲)に注意が要る条を5つ仕込んでありました。

質問は5問で、各応答に1問ずつ来ました。「おまかせ」と答えた守る決まりには、Copilot が「契約書に書かれた内容だけを事実として扱い、記載のない条件・数字・日付は補わず、締結可否の判断はしません」という案を出しました。ゴールの確認は5行で、「OK」と返すまで表は出ませんでした。

表は4列で、全行に条番号が付きました。仕込んだ5つの条は、5つとも表に入りました。

  • 第3条: 成果物の著作権が受託者のもので、委託者は社内での利用に限られる
  • 第4条: 委託者の承諾なしに再委託できる
  • 第6条: 損害賠償の上限が直近1か月分の委託料で、例外があるかが書かれていない
  • 第8条: 委託者からの解除の定めだけがあり、受託者側の解除や契約違反時の解除の定めがない

第2条(委託料)も表に入りました。理由は次の節で書きます。

表に入っても理由が違うことがあります

第2条には、仕込みがありました。委託料の支払が「翌々月末日」で、支払の時期(支払サイト)を確かめたいという点です。Copilot の表では、第2条が入りましたが、確認する理由は「請求方法や追加業務の扱いが本文にない」でした。支払が翌々月末日であること自体は、論点として挙がりませんでした。

条の一覧に載ったことと、見てほしい理由が合っていることは、別のことです。表を読むときは、行が入っているかだけで安心せず、理由の列まで読んでください。支払の時期のように自分が決めたい点は、先に頼むか、あとで自分で見てください。

もう1つ、表は第1条から第8条の全8条を並べて出ました。優先度の区別は表の中にはなく、表のあとの「特に確認してもらいたい3点」で、第3条、第4条と第5条、第6条と第8条が挙がりました。この3点には、第2条は入っていませんでした。

締結の可否は言い切られません

目的の答えで「締結するかどうかは人が決める」と伝えたこともあって(試した文面の1行目にはこの一文がなく、この記事の文面では1行目に足しています)、表の冒頭に「以下は締結可否の判断ではなく、委託する側が先方に確認しておく論点です」という一文が付きました。可否を言い切る文は、表にも確認点にもありませんでした。

条文にない数字や期間も作られませんでした。「数字・固有名の根拠」の節で、出てきた数字にすべて条番号が付き、第6条の上限については、委託料の月額から金額に換算することはしない、と書かれていました。

ただし、試したのは1回です。ほかの契約書では違う結果が出る可能性があります。Copilot の表は、人が読む前の一次確認の下書きです。契約の法的な判断は、社内の法務担当や弁護士など、判断する人が行ってください。


数字を画面で確かめる方法は「毎月の集計表はCopilotに1文で頼めます」にも書きました。

自社の契約書式に合わせた頼み方を一緒に作りたい場合は、お問い合わせフォームからご相談ください。

Gemini for Google Workspace をお使いの方は、Geminiには作業の前に質問させて数字は式で確かめましょうへ。

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