要約 在庫表の発注点(日平均出荷数×リードタイム日数+安全在庫)と要発注の判定は、Gemini アプリの入力欄で「@」を打ってGoogle ドライブのファイルを指せば、日本語1文で出せます。b-jam の Gemini for Google Workspace(Business Starter)で合成の在庫表を使って試すと、8品目の発注点と要発注4件は全件、手計算と一致しました。
Sheetsの画面にGeminiの入口が見つからないときはGeminiアプリからファイルを指しましょう
在庫表をスプレッドシートで管理していれば、Sheetsの画面の中でGeminiに頼みたくなります。ところが b-jam の Business Starter では、Sheetsの画面にGeminiの入口が見当たりませんでした。
2026年11月3日に、合成の在庫表(8品目)をSheetsで開いて確かめました。実は最初はSheetsのサイドパネルで試す計画でした。ところが右上に並ぶのは「変更履歴」「コメント」「Meet」「共有」とアカウントだけです。右端のサイドパネルのタブも Calendar・Keep・ToDo・連絡先・マップ・アドオンで、Geminiを呼び出すものはありませんでした。予定していた4つの確認(読める・値が正しい・直すと変わる・説明の数字)が1つもできず、手順を替えました。
入口がない理由はエディションの違いか、管理者の設定か、提供の順番待ちか、b-jam では確かめていません。管理者の画面は見ておらず、設定も変えていません。
Googleの公式の使用量上限の一覧では、Business Starter の列の「Build and edit spreadsheets(スプレッドシートの作成と編集)」は「No access」と書かれています。b-jam で入口がなかったことと関係があるかは分かりません。
そこでGeminiアプリ(gemini.google.com)から、ドライブにあるスプレッドシートを読ませる方法に切り替えました。読者の操作は「Sheetsを開く」から「Geminiを開いてファイル名を指す」に変わります。画面のモデル表示は開いた時点も2回の送信後も「Flash」でした。この日は思考モードの上限に達していたため、思考モードでは試していません。
入力欄で「@」を打つとドライブのファイルを指せます
手順は4つです。
- 新しいチャットを開き、入力欄に「@」を打つ
- 出てきた一覧(スキルと連携サービス)で「ドライブ」と絞り込む
- 連携サービスの「Google ドライブ(Google ドライブからファイルを検索する)」を選ぶと、入力欄に「@Google ドライブ」の札が入る
- 札の後ろにファイル名と頼みの文を打って送る
「+」メニューの「ドライブから追加」はファイル選択の画面が開くため使いませんでした。「@」で指した場合はファイルの選択画面も接続の承認画面も出ませんでした。ファイル名を打つだけで読めて表の範囲を指定する必要もありませんでした。
頼む文はこれを貼るだけです
札の後ろに打った文は次の1通です。ファイル名を自分の在庫表の名前に替えてください。
@Google ドライブ 【在庫表のファイル名】 の在庫表で、品目ごとに発注点(日平均出荷数×リードタイム日数+安全在庫)を計算し、現在庫が発注点以下なら「要発注」と判定して、一覧で見せてください。式を文の中に書いておくと、Geminiに計算を任せても、何を計算したかがこちらに残ります。
発注点と判定は表の数字と1行ずつ照らしましょう
応答は約20秒で出ました。品番・品名・日平均出荷数・リードタイム・安全在庫・発注点・現在庫・判定の表と要発注品目のまとめです。
b-jam の合成の在庫表は、日平均出荷数・リードタイム日数・安全在庫・現在庫の4つの数字を持つ8品目です。結果は次のとおりでした。
- 発注点は8品目すべて手計算と一致しました
- 要発注は手計算で4件になるところ、4件とも当たりました
- 現在庫が発注点と同じ数の品目(90と90)も、頼んだ文のとおり「以下」で要発注になりました
- まとめの文にある数字(現在庫・発注点・不足分)は、1回目で12個、2回目で15個ありました。誤りは0でした
確かめるときは全品目を叩かなくて構いません。たとえば日平均出荷数12・リードタイム5日・安全在庫20なら、12×5+20で発注点は80です。現在庫が75なら、80以下なので要発注です。この2品目と現在庫と発注点が同じ品目の判定を見れば、頼み方が通じているかが分かります。
表の元の数字のセルには、出典を示す札(ファイル名)が付いて出ました。発注点と判定の列には札は付きませんでした。計算した列はGemini が出した値ということです。出典の札を見て安心せず、計算した列の数字を自分で叩いてください。
表を直したら同じチャットで同じ頼みを送り直しましょう
在庫表は毎日変わります。表を直した後の動きも確かめました。
Sheetsで、品目P07の現在庫を60から40に書き換えました。同じチャットに同じ文を送ると、P07が「48/40/要発注」に変わり、まとめが「4件」から「5件」になりました。ほかの7品目は1回目と同じ値と判定でした。ページの再読み込みも、新しいチャットも要りませんでした。
試したのは1つの在庫表で2回です。品目が増えた表や、列の並びが違う表でも同じとは限りません。ファイル名の打ち間違いや、似た名前のファイルが複数あるときの動きは、確かめていません。
応答の下には「要発注品目の発注数量(推奨発注量)を計算する」「計算結果をGoogleスプレッドシートとして新規作成する」という候補が出ました。押していません。押すとドライブにファイルができる可能性があるので、押す前に保存先を確かめてください。
上位のモデルが使えるなら同じ頼み方を試しましょう
同じ日に、個人契約の Gemini アプリの「4 Argon」(思考レベルは既定の「低」)でも1回試しました。個人の画面は、モデル名と思考レベルを別々に選びます。この環境にはドライブの在庫表がないため、「@Google ドライブ」は使わず、同じ頼み文の先頭を外して、8品目の表を本文に貼りました。表を直した後の確認も、P07の現在庫を40にした表を貼り直して同じチャットで送っています。上の結果は Business Starter(Flash)のもので、4 Argon の結果は次のとおりでした。
- 発注点と判定は12/12で手計算と一致しました。要発注は4件で、貼り直した後は5件に変わりました
- まとめの文の数字に誤りは0でした。応答は約20〜24秒でした
- 表は10列に増えました。「12 × 5 + 20」のような計算式の列と、現在庫と発注点の差の列が付きました。出典の札は付きませんでした
- 説明が優先度の順になり、「安全在庫の3分の2をすでに取り崩している」のような解釈が入りました。表の数字から言える内容でも、解釈は自分で表と見比べてください
試したのは1つの表で2回の送信です。表を貼る方法とドライブのファイルを読ませる方法は条件が違うので、Flash との差がモデルによるものかは分かりません。上位のモデルが使えるなら、同じ頼み方を一度試してください。
ドライブの連携が使えないときは管理者の設定を確かめましょう
Gemini アプリがGoogle ドライブなどの内容を探す設定は、公式のヘルプでは既定でオンです。管理者が切ると、「@」の一覧に出なかったり、読めなかったりします。会話の履歴をオンにしていることも、使う条件に挙がっています。
「@」を打っても「Google ドライブ」が出ないときは、自分で直そうとせず、管理者にこの設定を聞いてください。
在庫表に実在の取引先名や単価を入れるのは、この手順で自分の数字を確かめられるようになってからにしてください。ここに書いた結果はb-jam の1つのアカウントで、合成の表を使った2回です。
日本語1文で集計を頼み、画面の数字を確かめるやり方は「Geminiの「Canvas」で毎月の集計アプリを1文で作りましょう」にも書きました。
自社の在庫表に合わせた頼み方を一緒に作りたい場合は、お問い合わせフォームからご相談ください。
Microsoft 365 Copilot をお使いの方は、Copilotには作業の前に質問させましょうへ。



