会議のメモからGeminiに議事録とアクションを出させましょう

今井雄大 公開
この記事の要点

会議のメモを貼って、決定事項・アクション(担当と期限)・保留事項に分けた議事録をGeminiに作らせる頼み方。担当と期限の確かめ方、思考モードの上限に当たったときの続け方つき。

要約 会議のメモを貼ると、Geminiは決定事項・アクション・保留事項に分けた議事録を、発言の時刻と発言者の出典つきで作ります。b-jam の Gemini for Google Workspace(Business Starter)で合成のメモを使って試すと、決定4・アクション6・保留1の計11項目が全件入り、担当と期限の取り違えは0件でした。ただし質問の途中で思考モードの上限に当たり、議事録そのものはFlashで出ています。

会議メモは先に質問させてから議事録にしましょう

会議の終わりに手元に残るのは、時刻と発言を並べただけのメモです。決まったことと宿題を拾い直して欠席した人にも回せる形にするのに、思ったより時間がかかります。

この記事はメモを貼って先にGeminiに1問ずつ質問させ、ゴールを確認してから議事録を作らせる頼み方です。質問させる型は「Geminiには作業の前に質問させて数字は式で確かめましょう」と同じで、ここでは資料と出来上がりの形を議事録に合わせてあります。

貼る文面は次の1通です。最後の【ここに会議メモを貼る】にメモを本文として貼ります。

プロンプト
会議のメモから議事録とアクション一覧を作る作業を手伝ってください。
先に作業せず、次の順で進めてください。

手順1 質問
・私に1問ずつ質問してください。全部で5問以内です。
・聞く順は、目的、使う資料、出来上がりの形、守る決まり、読み手と期限です。
・私が「わからない」「おまかせ」と答えたら、あなたの案を示して次へ進んでください。

手順2 ゴールの確認
・質問が終わったら、目的、入力、出力、守ること、確認方法を3〜5行でまとめてください。
・私が「OK」と返すまで、作業を始めないでください。

手順3 作業
・OKの後で作業してください。
・数字と固有名は、元の資料のどこから取ったかを添えてください。資料にない数字は作らないでください。
・最後に、私が確認すべき点を3つ挙げてください。
・合計、割合、日付の言い換えは、計算式か根拠を添えてください。
・資料にない日付や数字に置き換えないでください。

使う資料: 下に貼った会議メモ
【ここに会議メモを貼る】

試したのは b-jam の Business Starter の Gemini アプリです。メモは総務部の定例ミーティングを想定して合成した短いものです。実在の会議や人物ではありません。

決定事項・宿題・持ち越しの3つに分けて頼みましょう

出来上がりの形を聞かれたら、「決定事項の箇条書き、アクションの表(内容・担当・期限)、保留事項の3つに分けてください」と答えました。守る決まりは「おまかせ」と答えています。Geminiはです・ます調で統一し、メモにある事実だけを書いて記載のない情報や推測の数値・日付は足さないという案を出して次の質問に進みました。質問は5問で、各応答に1問ずつ来ました。

「OK」と返す前に議事録は出ませんでした。ゴールの確認は5行で、「数字や固有名詞には元の発言位置などの根拠を併記」という約束も入っていました。

出来た議事録はメモにあった11項目をすべて拾っていました。

  • 決定事項4つ(大掃除の日、清掃業者、会議室予約のルール、次回の日時)
  • アクション6つ(担当と期限つき)
  • 保留事項1つ(防災訓練の日程)

清掃業者はメモに見積が2社(A社18万円、B社15万円)あります。議事録は2社の金額を書いたうえで、B社に決まったことを決定事項にしていました。A社を採用したようには書いていません。決まっていなかった防災訓練の日程は、決定事項にもアクションにも入らず、保留事項に置かれました。冒頭には日時・場所・出席者・欠席者も付いていました。これもメモに書いてある内容です。

担当と期限はメモの発言と1行ずつ突き合わせましょう

議事録で一番困るのは担当と期限の取り違えです。合成のメモにはわざと次の3つを入れておきました。

プロンプト
10:12 森下 備品棚の整理。最初は森田さんがやると言っていたが、森下が引き取ることになった。期限は11/20。
10:22 森田 大掃除の案内メールを全社に出す。担当は野村。期限は11/14の予定だったが、11/12に前倒し。
10:38 森田 欠席の平井さんへの共有は森下がやる。

ほかのプロンプトを見る

結果は次のとおりです。

  • 備品棚の整理の担当は森田さんではなく森下さんになっていました
  • 大掃除の案内メールの期限は、前倒し後の11/12でした。「当初11/14予定から前倒し」と注記も付きました
  • 平井さんへの共有は期限がメモに書かれていません。Geminiは期限の欄に「明記なし」と書き、日付を作りませんでした

アクション6件の担当は6件とも合い、期限は日付のある5件がすべて合いました。決定事項の5行(後で書く重複の1行を含む)とアクション6件すべてに、「メモ『10:03 川口』より」のように、時刻と発言者が付いていました。この出典があるので、メモの該当行を探して見比べるのが速くなります。

それでも、突き合わせは省けません。担当と期限の列はメモの発言と1行ずつ見比べてください。b-jam の試行は合成のメモ1回で、実際の会議メモでは違う結果が出る可能性があります。

思考モードの上限に当たっても同じチャットで続けられます

この試行の質問5つとゴールの確認、計6応答は、画面のモデル表示が「思考モード」でした。6応答目の直後に「思考モデルの上限に達しました/11月3日 10:24にリセットされるまで、他のモデルが使用されます。」と出ました。

ここで止めてあとから同じチャットを開き直しました。ピッカーの表示は「思考モード」のままでした。「OK」を送ると、表示は「Flash」に変わり、議事録は Flash が作りました。質問は思考モード、議事録は Flash の混在です。

同じチャットのまま続けられたのは、公式のヘルプにある動きです。思考モードの上限に達しても、同じチャットで高速モードを使って会話を続けられると書かれています。上限がリセットされたら、思考モードをまた選べます。

議事録は Flash で、先ほどの確認のとおり担当と期限は合っていました。ただ、同じアカウントの思考モードで作った議事録とは比べていません。別のアカウントの思考モードで試した結果は、下の節に書きました。上限の知らせが出たら、いつ・どのモデルで作った議事録かをメモに残しておくと後から確かめられます。6応答で上限に当たったという数は公式の値ではありません。b-jam の1つのアカウントでの観察です。

送る前に直すのは敬称・並び順・決定欄の重複です

議事録を読み返すと、送る前に直したい箇所が4つありました。

  • 敬称: 社内の同僚の全員に「様」が付いていました。部長にも同僚にもです。社内の議事録なら、「さん」に直します
  • 表の並び: アクションの表がメモの時刻順ではありません。備品棚(10:12)が5行目でした。会議の流れで読ませるなら並べ直します
  • 決定欄の重複: 「備品棚の担当は、森田さんから森下さんに」が、決定事項にも入っていました。アクションの1行と同じ事実です。メモに書いてあることなので誤りではありません。ただ二重になるので、どちらかを消します
  • 誤字: 確認点の中に「ススケジュール」と文字が重なった箇所がありました

確認点は3つ出ました。大掃除の案内メールが前倒しになった点、平井さんへの共有に期限がない点、次回の会議の場所がメモに書かれていない点です。3つ目はメモを見直さないと気づきにくい点でした。そのまま会議の連絡の確認リストにして構いません。

実在の会議のメモを貼るのは、合成のメモで担当と期限の突き合わせに慣れてからにしてください。

Business Standard の思考モードが使えるなら同じ頼み方を試しましょう

別の Workspace アカウント(Business Standard)の思考モードでも、同じメモと同じ文面で1回試しました。ピッカーは「Flash」「思考モード」「Pro」から選ぶ形で、思考モードを選びました。7つの応答すべてが思考モードの表示で、上限の知らせは出ませんでした。上の結果は Business Starter(質問は思考モード、議事録は Flash)のもので、思考モードの結果は次のとおりでした。

  • 11項目は全件入り、担当6件・期限5件の取り違えは0件でした。期限のない平井さんへの共有は「指定なし」で、日付を作りませんでした
  • 決定事項に備品棚の担当変更が重ならず、アクションの行の中の注記にまとまりました
  • 決定4件とアクション6件に、時刻と発言者が付きました。決定事項では、語ごとに「(固有名:10:01 森田)」と付ける細かい書き方でした
  • 文体はです・ます調ではなく常体で、敬称は本文に付かず、確認点だけ「さん」でした
  • 新しく出た癖は、資料にない日付が確認点に1つ出たことです。「来月から」を「12月1日」と明記しなくてよいかを問う文で、メモにある日付ではありません
  • 待ち時間が延びました。質問の3問目の応答に約3分20秒、4問目に約5分半かかり、議事録は25秒で出ました

試したのは1回です。Flash との差がモデルによるものか、ぶれの範囲かは分かりません。上位のモデルが使えるなら、同じ頼み方を一度試して、担当と期限をメモと見比べてください。


数字を画面で確かめるやり方は「Geminiの「Canvas」で毎月の集計アプリを1文で作りましょう」にも書きました。

自社の会議に合わせた頼み方を一緒に作りたい場合は、お問い合わせフォームからご相談ください。

Microsoft 365 Copilot をお使いの方は、Copilotには作業の前に質問させましょうへ。

出典・参考リンク

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