要約 発注書と請求書を1つのExcelにしてGeminiに添付すると、ずれを一覧にできます。b-jam の Gemini for Google Workspace(Business Starter)で合成のExcelを使って1回試すと、画面の一覧には仕込んだずれ8件のうち6件が出ました。しかも回答の途中でコードの枠に変わり、元のExcelにない請求Noの行が5行出ました。画面の答えを使う前に、元のExcelと突き合わせる手順を載せます。
請求書と発注書は1つのExcelにしてGeminiに添付しましょう
支払の前に請求書の数量・単価・金額が発注書と合っているかを見る。行数が増えるほど、見落としが怖い作業です。
この記事は発注書と請求書の2枚のシートを1つのExcelにしてGeminiに添付し、ずれの一覧を出させる頼み方です。ただし結果を先に書くと、b-jam の試行では、画面の一覧をそのまま使えませんでした。使えなかった理由と使う前に見る場所を書きます。
試したのは b-jam の Business Starter の Gemini アプリです。画面のモデル表示は開いた時点も全応答でも「Flash」でした。この日は思考モードの上限に達していて思考モードでは試していません。2026年11月3日に、合成のExcelで1回試した結果です。同じ頼みを新しいチャットでやり直したときに同じ崩れが出るかは、確かめていません。
ずれは「種類・発注側の値・請求側の値」の一覧で頼みましょう
質問させる3段の文面は、「Geminiには作業の前に質問させて数字は式で確かめましょう」と同じです。1行目の業務と最後の資料の行だけを替えています。
発注書と請求書を突き合わせて、ずれを見つける作業を手伝ってください。
(手順1〜3は共通の文面)
使う資料: 添付したExcel(シート「発注書」と「請求書」)質問への答えは次のとおりにしました。
- 目的: 支払の前に請求書と発注書のずれをすべて見つけたい
- 使う資料: 添付したExcelだけ
- 出来上がりの形: ずれの一覧表。請求No、発注No、ずれの種類、発注側の値、請求側の値を並べる
- 守る決まり: 「わからない」。Geminiは1円でも1単位でも数値が違えばすべてずれとして検出し、品名や取引先名の表記ゆれも確認対象にするという案を出しました
- 読み手と期限: 経理課長・今週の金曜まで
質問は5問で、各応答に1問ずつ来ました。「OK」を返すまで、一覧は出ませんでした。最後の「今週の金曜」は、日付に言い換えられませんでした。
画面の一覧は元のExcelの行と1行ずつ突き合わせましょう
一覧の前半はきれいな表で出ました。列は請求No・発注No・ずれの種類・発注側の値・請求側の値・元資料の該当箇所と計算根拠です。
- 発注書に電池があるのに請求書にない行(P007)が「未請求」として出ました
- 数量が80個と90個で違う行は差分の+10個と金額の差分+22,000円まで書かれました
- 単価が250円と280円で違う行(P005)は、金額の差分+3,450円まで書かれました
- 請求書の中で数量×単価と金額が合わない行(P014)は、「請求書単体の端数・計算ミス」として挙がりました
仕込んだずれは8件でした。画面の一覧に出たのは6件です。出なかったのは請求書の中の計算が1,000円ずれている行(P020)と、対応する発注がない請求の行(P099)でした。一覧に出た6件の値は11項目すべてが元のExcelと合っていました。
ずれのない組をずれとして出した行は0でした。これは良い点です。ただ、2件が出なかったことは、画面を眺めるだけでは気づけません。一覧の行数を自分が仕込んだ(あるいは見込んだ)ずれの数と比べてください。
回答の途中でコードの枠に変わったらそこから先は使わないでください
6件目の行(P018)は、請求側の値の途中「差分: +3」で、表が切れていました。そこから回答が黒いコードの枠に変わりました。
枠の中にはPythonのコードが出て続けて別の回答が入っていました。マークダウンの記号がそのまま見える形でした。中身は元のExcelにない行です。
- 請求No「INV-2026-002」と発注No「PO-2026-002」で、単価が150,000円から160,000円
- 請求No「INV-2026-003」で、数量が50から60
- 請求No「INV-2026-005」で、品名が「ノートPC Type-A」から「Type-B」
- 請求No「INV-2026-008」で、発注のない研修サービス80,000円
- 発注No「PO-2026-009」で、請求のない消耗品セット120,000円
どれも元のExcelに存在しない行でした。続く「計算式」と「経理課長様への確認依頼点」も、この存在しない行についての内容でした。画面には前半の続き(P018の残り・P020・P099・確認点)は出ませんでした。
もう1つ分かったことがあります。回答の先頭にある「コードを表示」は、既定では閉じています。その中にはGeminiが計算したコードと実行結果が入っています。b-jam では結果の表に8件すべてが12行で並んでいました。画面の答えは6件、コードの中には8件。画面の答えと、コードの中の計算は一致していませんでした。
誤字もありました。「発注书」と簡体字が1か所混ざっていました。
この崩れが出たのは正規の手順(「OK」を送った後)です。やり直し用のボタンは押していません。同じ頼みで再現するかは分かりません。それでも、次のことは言えます。回答の途中で表の形が変わったり、黒い枠の中に別の回答が出たりしたら、そこから先の行は使わず、請求Noと発注Noが元のExcelにあるかを1行ずつ見てください。
支払の前に確かめるのはずれの件数と片方にしかない行と請求書の中の計算です
b-jam の試行から、確かめる場所を3つに絞りました。
- ずれの件数: 一覧の行数を自分で見込んだずれの数と比べる。今回は8件のうち2件が画面に出ませんでした
- 片方にしかない行: 発注だけにある行と請求だけにある行が、一覧に出ているか。今回は発注だけの行(P007)は出て請求だけの行(P099)は出ませんでした
- 請求書の中の計算: 数量×単価が金額と合っているか。今回の1,000円のずれは、1件(P014)は拾い、1件(P020)は画面に出ませんでした
この3つを一覧の請求Noと発注Noを元のExcelで引きながら確かめます。画面の一覧は見落としを探すための下書きとして使ってください。支払の可否の判断は元のExcelで確かめた行だけで決めます。
実在の請求書や取引先名を入れるのは、合成のExcelでこの突き合わせに慣れてからにしてください。
個人契約の 4 Argon でも画面の件数を見込んだずれの数と比べましょう
同じ合成のExcelと同じ文面を、個人契約の Gemini アプリの「4 Argon」(思考レベルは既定の「低」)でも1回試しました。上の結果は Business Starter(Flash)のもので、4 Argon の結果は次のとおりでした。
- 画面の回答に、仕込んだずれ8件がすべて出ました。Flash の画面に出なかった請求書の中の計算(P020)と、発注のない請求の行(P099)も入っています
- ずれのない組をずれとした行と、元のExcelにない行は0でした。値と差額の誤りも0で、全行に請求Noと発注No、行番号が付きました
- 回答は表1つと、計算の式の節と、確認点3つの形でした。ずれの割合(8÷21=38.1%)と請求書側の差額(40,200円)も式つきでした。コードの枠への崩れは出ませんでした
- 新しく出た癖もあります。数式が、表示用と読み上げ用の2つの形で重なり、同じ式が2〜3回続けて読めました。節の末尾には「このビジュアルは役に立ちましたか?」の評価欄も付きました
- ゴールの確認は5行でなく4行でした。「今週金曜」は日付に言い換えられませんでした。OKを返してから完了まで約2分で、Flash の約1分より長くかかりました
試したのは1回で、Flash の崩れが出なかったことが再現するかは確かめていません。上位のモデルが使えるなら、同じ頼み方を試して、画面の件数を自分が見込んだずれの数と比べてください。
画面の数字を手計算で確かめるやり方は「Geminiの「Canvas」で毎月の集計アプリを1文で作りましょう」にも書きました。
自社の支払の流れに合わせた確認のしかたを一緒に作りたい場合は、お問い合わせフォームからご相談ください。
Microsoft 365 Copilot をお使いの方は、請求書と発注書のずれはCopilotに一覧にしてもらいましょうへ。



