要約 うまくいった頼み方は、Gemini のスキルに入れておけば毎回貼らずに済みます。b-jam の Gemini(Business Starter)で、貼る版(7回の送信で1,128字)と同じ内容をスキルにして試しました。問い合わせ5件を貼るだけの1回207字で、答えは貼る版と同じ水準でした。ただし「@」でスキルを指定せずに問い合わせだけを送ると使われず、資料にない数字や手続きを作りました。
毎回貼る頼み方はスキルに入れましょう
社内の問い合わせに規程FAQで答える頼み方は、前の記事(社内の問い合わせには規程FAQを根拠にGeminiで回答案を作りましょう)に書きました。うまくいくのですが、使うたびに3段の文面を貼り直し、質問に5回答え、最後にOKと返します。
b-jam で同じ作業を数えると、7回の送信で合計1,128字でした。答えが決まっている作業ほど、同じ頼み方を毎回打つのがもったいなく感じます。
そこで同じ頼み方を Gemini のスキルに入れました。スキルは繰り返し使う頼み方と資料を保存しておき、チャットから呼び出す機能です。2026年11月3日に、b-jam の Gemini for Google Workspace(Business Starter)の画面で作りました。規程FAQ8項目と問い合わせ5件は、前の記事と同じ合成の資料です。
試したのはすべて画面に「Flash」と出るモデルです。この日は上位のモデルの上限に達していたので思考モードなどは使っていません。
スキルには指示とドライブの規程FAQを入れます
作る場所は画面左の「カスタマイズ」にある「スキル」の「作成」でした。選べたのは「Gemini で作成」「手動で作成」「アップロード」の3つです。私は「手動で作成」を選びました。
入れる項目は名前と説明とカスタム指示で、右上に「ファイルを追加」があります。名前は自動で小文字になり、「_」のような記号は消えます。日本語は残ります。指示は次の文面です(試した文面を、FAQの指し方だけ読みやすく整えました)。規程そのものは指示に貼らず、ファイルとして追加します。
あなたは総務部の担当者を手伝うアシスタントです。社員から届いた問い合わせに、このスキルに追加した「社内規程FAQ」だけを根拠にして回答案を作ります。
守ること
・問い合わせ1件ごとに、宛先、回答案、根拠のFAQ番号を書いてください。
・回答案は丁寧語で、1件3文以内にしてください。
・FAQに書いていないことは作らないでください。FAQに記載がない問い合わせには「FAQに記載がありません」と書き、手続きや期限、部署名、内線番号を補わないでください。
・FAQに無い例外(上長が認めれば可、など)を書かないでください。
・数字と日付はFAQと問い合わせから取り、資料にない数字は作らないでください。計算した場合は式を添えてください。
・社内の他の文書やWebは使わず、このFAQだけを根拠にしてください。
・最後に、総務担当が確認すべき点を3つ挙げてください。「ファイルを追加」には、端末から上げる方法のほかに Google ドライブとノートブックがありました。私はドライブに作った規程FAQの Google ドキュメントを選びました。規程がドライブの文書として残るので、直すときはその文書を直します。
作成後のメニューにはすぐ利用・編集・ダウンロード・置き換え・無効にする・削除がありました。共有の項目はありません。このスキルは今は自分用で、社内に配る方法は確かめられていません。
呼ぶときは「@」で指定して問い合わせだけを貼りましょう
新しいチャットの入力欄で「@」を打つと一覧が出ます。「スキル」の欄から作ったスキルを選ぶと、入力欄の先頭にスキル名が入ります。そこへ問い合わせ5件だけを貼りました。5件は207字で、スキル名の分を足しても入力欄の字数は21字増えるだけです。往復は1回で、Gemini からの質問はありません。
同じ5件をスキルを指定せずに送る試しも、1回ずつしました。結果は次のとおりです。
| 見るところ | 「@」で指定 | 指定なし | 毎回貼る版 |
|---|---|---|---|
| 送った文字数 | 1回で207字 | 1回で207字 | 7回で合計1,128字 |
| 規程どおりに答えた問い合わせ | 4件のうち4件 | 4件のうち0件 | 4件のうち4件 |
| 根拠のFAQ番号 | 4件とも付いた | 付かなかった | 4件とも付いた |
| FAQに無い問い合わせ(育児休業) | 「FAQに記載がありません」 | 申請の期限と申請フォームを作った | 手続きを作らなかった |
| FAQにない数字 | 0 | 2つ以上 | 0 |
「@」で指定した回答案は、貼る版と同じ水準でした。根拠の行にはスキルに入れたFAQのファイル名が付きました。
指定しないとスキルが使われませんでした。祖母の訃報の休暇は規程の2日でなく1日、在宅勤務は例外つきで週3日以上も可と答え、育児休業には、取得希望日の1か月前までに社内グループウェアのフォームから申請する、と手続きを作りました。どれもFAQにない内容で、根拠の見出しもGeminiが作ったものでした。スキルを入れても、呼ばなければ働きません。
頼み方の1行目を「社内規程FAQをもとに、次の問い合わせ5件に回答案を作ってください。」に変えてスキルを指定せずに送ると、スキルのFAQが自動で使われました。ただし1回だけの結果です。これを頼りにせず、「@」で指定するのを基本にしてください。自動で使われたときも、回答案の根拠にファイル名の表示が付いているかを確かめます。
規程を直したら数分おいて確かめましょう
規程が変わったらドライブのFAQを直します。スキルを保存し直す必要はありませんでした。公式の説明も、スキルに追加したドライブのファイルは「常に最新の状態でリアルタイムに接続」されると書いています。
試しに在宅勤務の上限を「週2日まで」から「週3日まで」に直し、また戻すという直しを4回し、そのたびに新しいチャットで在宅勤務の問い合わせだけを聞きました。4回とも、遅くとも3分12秒以内には直した値で答えました。ただ、直して20〜35秒の時点では4回のうち2回が直す前の値でした。そのどちらも、直してから約3分(2分52秒と3分12秒)の時点で聞き直すと新しい値でした。
「すぐ反映される」とは言えません。規程を直したら数分おいてから問い合わせの回答を作る、直した項目を1件聞いて確かめてから使う、という運用が安全です。以前の Gem で同じ直し方をしたときは、17分40秒たっても直す前の値のままでした。
自分の会社で作れるかは画面で確かめましょう
公式の説明と b-jam の画面には差がありました。2026年11月3日に公式のヘルプを読み直して照らした結果です。
- 仕事用アカウント: 公式の移行ページは、スキルは個人アカウントで提供中で、仕事用と学校用は「まもなく」と書いています。b-jam の Business Starter では作成して保存できました。会社の設定や時期によっては出ないことがあります。出ないときは情報システム部門に確かめてください
- 呼び出し: 公式はチャットで「/」を打つ方法を書き、近く「@」に変わるとしています。b-jam の画面の案内は「@」でした
- ドライブ: 公式の作成ページはドライブのファイルを追加する手順を載せています。同じ公式の移行ページは、ドライブからの追加を「今後数週間」の予定と書いています。b-jam ではドライブから追加できました
画面の案内も公式も、いまは変わりつつあります。作る前に自分の画面で「スキル」と「ファイルを追加」の選択肢を見てください。
回答案は送る前に総務が見ましょう
試したのは「@」あり1回、なし1回です(言い回しを変えた指定なしの1回を除く)。別のFAQや問い合わせでは、違う結果が出ることがあります。
送る前に見るのは貼る版と同じです。根拠のFAQ番号の文と回答案の数字や期限を見比べてください。育児休業のように「記載なし」で終わった問い合わせは、聞き先を総務が足します。最後に出る確認点3つは、総務の確認リストの土台になります。確認点にFAQにない書類の名前が出ることもあるので、そのまま回答案に写さず本文と見比べます。
試して消すところまでの手順は、この記事の「自社で試す1手」にまとめてあります。自社の規程に合わせたスキルを一緒に作りたい場合は、お問い合わせフォームからご相談ください。
毎回貼る版は「社内の問い合わせには規程FAQを根拠にGeminiで回答案を作りましょう」にあります。
Microsoft 365 Copilot をお使いの方は、Copilotでうまくいった頼み方はエージェントにして毎回貼らないようにしましょうへ。



